エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「だってパパが教えてくれたんだもん!」

 心底楽しそうに言う和。

 梓の胸が、じんわり熱くなった。

 本当に、今、和に父親という存在がいる幸せを噛み締めてしまったのだ。

 梓という、母からでは教えてやれないことはどうしてもある。

 母親からの愛。

 そして父親からの愛。

 両方をたっぷり注がれて、和は成長している。

 だからこそ、こんなに優しくて、強い子になっているのだろう。

 和臣は『梓と和を絶対に守る』と言ってくれた。

 だけど、和が守られるだけの幼児でいるのは、きっともうあと少しだけ。

 日ごとに成長していく和なのだ。

 どんどん自立もしていくだろうし、良い子だけではいられない年ごろにもなるだろう。


 そうしたら、「パパとお風呂はイヤ!」なんて反抗期になるかもしれないな。
 そのときは和臣さん、ショックを受けそう。
 でも……それもひとつの成長なんだよね。


 少しだけ未来にあるだろうこと。

 考えて、梓はちょっとのおかしさと、大きな幸せを覚えてしまった。
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