月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「あ、あの、この子は……!」
朝になったら折を見て、魔物の子供のことを説明しようと思っていたのに、早速イロナに見つかってしまった。
隠そうにも既に手遅れで、ティナの腕の中にいる魔物の子供を見たイロナが驚きの声を上げる。
「やだーーーー!! 可愛いーーーー!!」
イロナは魔物の子供を見て大興奮だ。
もしかすると拒絶されるかと思っていたティナは拍子抜けしてしまう。
「え、えっと……。まだ子供とは言え魔物ですけど……怖くないんですか?」
「ええーっ?! こんなに可愛いのに怖い訳ないじゃない! 何かいるな、って感じたけど、まさか<金眼>の魔物だなんて!」
「え? <金眼>……?」
「ええ、<金眼>の魔物はその生息地一帯の主のことよ。この子、大きくなったらきっとすごく強くなるわよ」
「ああ! そういや聞いたことあるな。何だっけか、<王の目>とも言うんだっけか?」
「そうよ。金色の瞳を持つものは王者の素質を持っていると言い伝えられているの。ほら、クロンクヴィストの王族にも<金眼>持ちがいるって噂でしょう?」
イロナたちの会話をティナは呆然としながら聞いていた。自分が知らない内容ばかりなのはもちろん、腕の中の魔物の子供が将来<魔物の王>になるとは思わなかったのだ。
朝になったら折を見て、魔物の子供のことを説明しようと思っていたのに、早速イロナに見つかってしまった。
隠そうにも既に手遅れで、ティナの腕の中にいる魔物の子供を見たイロナが驚きの声を上げる。
「やだーーーー!! 可愛いーーーー!!」
イロナは魔物の子供を見て大興奮だ。
もしかすると拒絶されるかと思っていたティナは拍子抜けしてしまう。
「え、えっと……。まだ子供とは言え魔物ですけど……怖くないんですか?」
「ええーっ?! こんなに可愛いのに怖い訳ないじゃない! 何かいるな、って感じたけど、まさか<金眼>の魔物だなんて!」
「え? <金眼>……?」
「ええ、<金眼>の魔物はその生息地一帯の主のことよ。この子、大きくなったらきっとすごく強くなるわよ」
「ああ! そういや聞いたことあるな。何だっけか、<王の目>とも言うんだっけか?」
「そうよ。金色の瞳を持つものは王者の素質を持っていると言い伝えられているの。ほら、クロンクヴィストの王族にも<金眼>持ちがいるって噂でしょう?」
イロナたちの会話をティナは呆然としながら聞いていた。自分が知らない内容ばかりなのはもちろん、腕の中の魔物の子供が将来<魔物の王>になるとは思わなかったのだ。