月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「おいおい! マジかよ……!」
「俺、ちょっと皆んなに知らせてくる!!」
仲間の男が慌てて走っていく。他の仲間にクリスティナのことを伝えに言ったのだろう。この様子では明日には噂が王都中に広がっているかもしれない。
「俺達もギルドに戻るぞ! おいティナ! 後で詳しく教えてくれよな!」
「はいはい、ベルトルドさんに報告が終わったらね」
クリスティナはひらひらと男達に手をふると再び歩き出した。その後ろを大柄の男達がゾロゾロとついて行く。
小柄な少女の後ろを人相の悪い大柄な男達がついていく姿は、一見すると異様な光景に見える。何も知らない人間が見ると犯罪臭がプンプンだ。
しかし道行く人々はクリスティナの容姿に見惚れるものの、男達を見ても怖がる様子はない。
──何故なら、この人相が悪い男達はゴロツキでも何でも無く、れっきとした冒険者だったからだ。
学院でフレードリクがクリスティナに言った「ゴロツキ共や賤民達」とは、王都のギルド本部に在籍している冒険者達のことだったのだ。
「俺、ちょっと皆んなに知らせてくる!!」
仲間の男が慌てて走っていく。他の仲間にクリスティナのことを伝えに言ったのだろう。この様子では明日には噂が王都中に広がっているかもしれない。
「俺達もギルドに戻るぞ! おいティナ! 後で詳しく教えてくれよな!」
「はいはい、ベルトルドさんに報告が終わったらね」
クリスティナはひらひらと男達に手をふると再び歩き出した。その後ろを大柄の男達がゾロゾロとついて行く。
小柄な少女の後ろを人相の悪い大柄な男達がついていく姿は、一見すると異様な光景に見える。何も知らない人間が見ると犯罪臭がプンプンだ。
しかし道行く人々はクリスティナの容姿に見惚れるものの、男達を見ても怖がる様子はない。
──何故なら、この人相が悪い男達はゴロツキでも何でも無く、れっきとした冒険者だったからだ。
学院でフレードリクがクリスティナに言った「ゴロツキ共や賤民達」とは、王都のギルド本部に在籍している冒険者達のことだったのだ。