巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
39 平穏
お爺ちゃんがアルムストレイム教と決別してから一週間が過ぎた。
神殿本部からはあの日以来、何の接触もなく穏やかな日々を過ごしている。
私がバザロフ司教に連れられた時、周りに誰もいなかったのは神殿派の貴族が手を回したからだった。
その事を重要視したエルは、バザロフ司教に加担した貴族を「拉致監禁幇助」の罪に問い罰を与えたのだ。
今回の一件で神殿派の貴族達が大人しくなったのは良いけれど、神殿本部まで静かなのがすごく不気味だ。このまま何事もなければいいな、と願うばかりである。
──私は一週間前の出来事を思い出す。
バザロフ司教に連れ去られた後、神殿本部から離宮に戻った私とお爺ちゃんを見て、子供達は凄く喜んでくれた。
ちなみに突然私がいなくなってしまった王宮内は大騒ぎだったらしい。
「子供達がサラさんを探して王宮内を走り回ってね。全く泣き止まないし、それはもう大変だったのよ」
疲労の色を浮かべたエリアナさんが、その時の様子を教えてくれた。
「……うぅ、すみません……!!」