巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
48 秘密(エル視点)
「くそっ……! 始まったか……!!」
僕の寝室に運ばれ、眠るサラを見たシス殿のただならない様子に、僕はその言葉の意味を問いかけた。
「シス殿、サラは一体どうしたのですか? 何が始まったのですか?」
「その質問に答える前にお聞きします。殿下とサラは今まで何処にいらっしゃったのですか?」
シス殿に質問返しをされて一瞬悩んだけれど、ここは正直に話した方が良いと判断した僕は、庭園であった出来事をシス殿に説明した。
……そしてサラと想いが通じ合ったことも。
「やはりそうですか……。サラの奴、異常はないって言ってたくせに……。殿下、サラは<開花>が始まった状態だと思われます」
「<開花>……? それは一体……」
初めて聞く言葉に戸惑う僕に、シス殿が説明してくれた内容は、アルムストレイム教が公にしていない事実の一つと、サラの秘密だった。