巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「え……! 七日後……!? そ、そんなの無理です! 子供達を置いて来ているんです! このまま帰るなんて出来ません! お願いです、どなたか話を聞いていただける方はいらっしゃいませんか?」


 七日も待つなんてとてもじゃないけど無理だ。宿に泊まるお金すら無いから、交渉できたらすぐ帰るつもりだったのに。それに子供達のことも心配だ。何とか今日中に援助して貰えるように交渉しないと……!


「うーん、そう言われても、俺もただの門番だからなあ。可哀想だけど、日を改めて来て貰うしか無いね」


 門番さんが申し訳無さそうに言う。これ以上門番さんを困らせるのも申し訳ないので、私は一旦引き下がることにする。


 やっと着いた神殿本部だったけれど、タイミングが悪かった。まさか王太子の視察と被ってしまうなんて……!


(うーん、どうしよう……このまま帰ったら、一体何のために無理して王都まで来たのか分かんないし……)


 せめて神殿内に入れればいいけれど、視察の間は礼拝も禁止するという徹底ぶりだから、私には手の打ちようがない。
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