LIBERTEーー君に
演奏するのはブラームスの曲ではないのに、想像が膨らんでいく。
時間を確認し、詩月とミヒャエルは各々、楽譜の再点検、ヴァイオリンの調弦を済ませ、黒スーツに着替え、靴ひもを結び直す。
「ずいぶん余裕だな」
舞台裏に向かう途中、審査を終えたコンテスタントが、詩月とミヒャエルにボソッと呟いた。
演奏がうまくいかなかったか、憮然としていた。
詩月がミヒャエルの袖を引いた。
「ヴァイオリニストなのか、ピアニストなのか、はっきりしろよ。周桜Jr.」
ミヒャエルかコンテスタントを睨みつけた。
「ミヒャエル、行くよ」
詩月はミヒャエルの手首を掴み早足で10数歩進み、足を止めた。
「……相手にするな」
詩月は胸を押さえた。
「……マナーも観られて……る」
「詩月!?」
「少し……息が上がってるだけだ」
時間を確認し、詩月とミヒャエルは各々、楽譜の再点検、ヴァイオリンの調弦を済ませ、黒スーツに着替え、靴ひもを結び直す。
「ずいぶん余裕だな」
舞台裏に向かう途中、審査を終えたコンテスタントが、詩月とミヒャエルにボソッと呟いた。
演奏がうまくいかなかったか、憮然としていた。
詩月がミヒャエルの袖を引いた。
「ヴァイオリニストなのか、ピアニストなのか、はっきりしろよ。周桜Jr.」
ミヒャエルかコンテスタントを睨みつけた。
「ミヒャエル、行くよ」
詩月はミヒャエルの手首を掴み早足で10数歩進み、足を止めた。
「……相手にするな」
詩月は胸を押さえた。
「……マナーも観られて……る」
「詩月!?」
「少し……息が上がってるだけだ」