あの花が咲く頃、君に会いにいく。
「ええ、もー紫音は突然だなあ。どうせなら校舎写そうよ。あ、ここいい」



校舎と桜の木をバックに茅乃とピースをして写真を撮る。


二人とも慣れない制服で緊張しているのか、ぎこちない顔だったけどすごくいい笑顔で撮れている。



「紫音が同じ高校でよかった。じゃなきゃ私、今頃すっごい緊張してお腹痛くなってたよー」


「あはは、大袈裟。茅乃と同じ高校行きたくて勉強頑張ったんだから、褒めてくれてもいいんだからねー」


「すーぐ調子に乗るんだから」



茅乃にこつんと頭を軽くこづかれる。


それがなんだかくすぐったくて、クスクスと笑みが溢れた。



「高校なんてきっとあっという間だよね。茅乃と高校卒業して、就職して、結婚してお互いの子供もつれてキャンプなんか行っちゃって。そんな未来、想像するだけでワクワクしない?」


「もー紫音は気が早いよ。まあきっと紫音の言う通りになるんだろうね。ずっと、友達だよ」


「当たり前じゃん!ずっとずーっと友達でいようね!」



茅乃との未来がその時は当たり前に浮かんで、それがまさか実現されることなく呆気なく死んでしまうなんて、この時は夢にも思わなかった。






「…っ!」



がばりと起き上がると、そこは学校の前なんかではなく、楓の部屋だった。



「どうした、早乙女?」
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