木曜日は立ち入り禁止。
ちょっと佐藤くん…?
それじゃりっちゃんの頭がパンクしちゃうよ……。

「ーーっちょっ、ささささとうくんっ」
「え!ごめん!違った?!脱ぐ?!」
「そ、そうじゃない!これでいい!!」

あわあわしてる2人は展示なんて目にも入らない様子。
……なんか可愛い。

にこにこしながら見ている私の腕に冷たい風が当たった。
見るとたっている場所はエアコンの風がもろに当たる場所だった。

「大塚、楽しめてる?」
「わ、藤くん!」

藤くんは少し疲れたといった様子でそばにあったソファに腰かける。

「俺ら以外みんな積極的で、なんか申し訳ないな」
「ふふっ、わかる」

見てる分には微笑ましい。
けど、なーさんは私と藤くんがもっと仲良くなることを望んでいたし
ここで見学しているのもなんだかなぁ。

「隣の部屋の展示、見に行く?」
「そうしよっか。りっちゃん達のこと邪魔しちゃ悪いし……くしゅっ」

あろう事か喋ってる途中でくしゃみが出てしまった。

鼻水とか垂らしてたらどうしよう…!

「これ、羽織っといて」

ぱさっ

と焦っている私の肩に藤くんの上着がかけられた。
私には少し大きめの、少し体温の残った上着。

……暖かい。

藤くんの方を見ると、彼はなにかに気づいたような目付きになって

「…ごめん、怖い?こういうの、やだ?」

と聞いた。

「ううん、怖くないよ、大丈夫」

佐藤くんにされてたら少し怖かったかもしれないけれど。

藤くんなら大丈夫だよ
そう言うと、彼は少し怒って

「そういうこと、簡単に言っちゃダメだよ」

と言った。

どこまでも心配してくれて
安心する。

上着の袖部分を少し捲って調節する。

「え、なになに、彼シャツじゃん」

いつの間にかこの部屋に来ていたなーさんは楽しそうに私を小突いた。
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