木曜日は立ち入り禁止。
「そ、そんなんじゃないよ」
「またまた〜、これ藤の服じゃん」

そ、それはだって
佐藤くんのだったら私は断るし怖いけど
藤くんは大丈夫だから…

ん?あれ?

なんで私、佐藤くんのこと怖いんだろう…。

なんで藤くんは大丈夫なんだろう……。

「次!外のアトラクション乗ろーぜー!」
「ちょっ、佐藤くん早っ…」

遅れて手を繋いで登場したりっちゃんたちと合流して、私たちは外に出る。

みんなが楽しそうに歩みを進める中、私だけが悶々としていた。



「え、ちょ、私だけ絶叫無理な感じ?」

飲み途中のオレンジジュースのストローから口を離し、りっちゃんは焦ったように言う。

「そもそもこの遊園地の醍醐味ってあのジェットコースターじゃん」
「いや、まぁそうなんだけど……」

奏多くんの厳しいツッコミに言葉を濁すりっちゃん。

せっかくここまで来たのにりっちゃんだけ置いて乗るなんて私には出来ない。
私は残って別の場所をまわらないかとりっちゃんに提案しにベンチから立ち上がろうとした。

その時、藤くんの手が私の肩を掴んだ。

「?藤くん?」
「崚、お前お化け屋敷行きたいって言ってたよね。そろそろチケット危ないんじゃん?五井さんと行って来れば?」

え……!

藤くんのナイスパスを受け取ったなーさんは

「じゃあついでにお化け屋敷の隣のカフェの席取っといて!各自終わったら合流しよ」

と言った。

2人ともすごい……。

感心しすぎて拍手すらしそうになる。
りっちゃんはすごく嬉しそうだけどどこか申し訳なさそう。
佐藤くんは頭をポリポリとかきながら「まぁ、りっちゃんがそれでいいなら」と。

隣の藤くんはなんか少し残念そうな顔をしていた。何でだろう?

「ほらおふたりさん、行くよー」

なーさんは奏多くんの手をとってジェットコースターに向かって歩き出す。
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