麗しの薔薇



それにしても、こんな丁寧に紹介してくれるものなのか。


少し驚きがありつつ、まぁでも牽制の意味もあるのだろうなと思った。


だって、急に族がいる高校に転校してくる初の女子生徒なんて怪しまれて当然だろうし、私の反応から情報が欲しいのだろうな。


「それで、改めてだけど…」


と柊木くんが続けようとした時、


「…おい」


低く、でもよく通る声が飛んできた。


「…なんでこの学校にきた」


顔を上げた先には、風雅現総長─東雲蘭の姿。


その威圧感は、大勢の裏社会の人間を見てきた私からしてもたじろぎそうになるほど。


けど、何というか…彼はとても綺麗だと思った。


「ちょっと蘭。まず名乗るのが礼儀でしょ?」


そんな異様な存在感を放つ総長を柊木くんが窘める。


なるほど…少しずつ、彼らの関係性が見えてきた。


総長は絶対だろうが、柊木くんもそれに並ぶ位置にいるのだろう。最早裏で牛耳っているのは彼の方かもしれない

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