クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

「どうしよう……」

「これで過ごすしかねーだろ」

「冷静だね。斑らしいけど。……痛っ!」

「あ、悪い」


相変わらず冷静な斑。こんな状況になっても全然動じてない。


かと思えば、手錠でつながれていることも忘れて歩きだそうとした。


冷静ではあるけど、動揺してないわけじゃないのかな?


「大丈夫。それより、ほんとにこのまま過ごすの?」

「とりあえず明日考える。学校あるし、寝る時間だろ」


居間の時計を見ると、夜の11時を回っていた。


寝る前に台所で白湯を飲んで、ちょっとだけと脚本を読みはじめたのが10時半くらいだった。


あれから30分以上も経ってたんだ……。


「この状態で学校に行くの?」

「サボる?俺はそれでもいいけど」


首を横に振る。


病気でも法事でもないのに休むのはちょっと……。


いろいろ問題は山積みだけど、たしかに斑の言うとおり明日になってから考えたほうがいい気がする。


今あれこれ悩んだってしょうがない。


だから、とにかく寝ることを先決に──。


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