クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

ざっと見て10人程度だけれど、どれも見覚えのある顔。


転校初日に足を踏みいれた西組アジトで見た覚えがある。つまりは、暴走族所属の不良たち。


絶賛おサボり中、ってとこかな。



「みんな火おこし班?」

「もいますが、みんなじゃないです」

「……わかった。わたしがなんとかしてみる」

「大丈夫ですか?」

「うん、たぶん。その代わり、調理班として引き抜いてもいいかな?」

「調理ですか?はい、いいですよ」



わたしは彼らのもとへ向かった。


こうなることは想定済み。ボイコットされる可能性はちゃんと考えていた。


サボったり。最悪の場合、暴れまわられたり。


具体的な解決策は講じてないけれど、だからといって放っておくわけにもいかない。


とにかく当たって砕けろ、です。


< 95 / 217 >

この作品をシェア

pagetop