クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
ざっと見て10人程度だけれど、どれも見覚えのある顔。
転校初日に足を踏みいれた西組アジトで見た覚えがある。つまりは、暴走族所属の不良たち。
絶賛おサボり中、ってとこかな。
「みんな火おこし班?」
「もいますが、みんなじゃないです」
「……わかった。わたしがなんとかしてみる」
「大丈夫ですか?」
「うん、たぶん。その代わり、調理班として引き抜いてもいいかな?」
「調理ですか?はい、いいですよ」
わたしは彼らのもとへ向かった。
こうなることは想定済み。ボイコットされる可能性はちゃんと考えていた。
サボったり。最悪の場合、暴れまわられたり。
具体的な解決策は講じてないけれど、だからといって放っておくわけにもいかない。
とにかく当たって砕けろ、です。