クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

「なに、してるんですか?」


ぎこちなく声をかける。

やっぱちょっと怖い。


「あ?……なんだ、花姫かよ」


わたしの方をちらっと見て、すぐに視線を戻す男子たち。

どうやらスマホでゲームをしてるらしい。


「あーくそっ。また固まった」

「通信安定しねーなぁ」


カーレース系のゲーム?


……あっ!これわたし知ってる。組のみんながたまに遊んでるスマホゲームだ。


車を好きなようにカスタムしてリアルな街並みを走って競う、人気の対戦ゲームだよね。


「気ぃ散るからどっか行ってくんね?」


じっと眺めていたせいか、邪険にされてしまった。


「ごめんなさい。……あー、でも……」

「んだよッ」

「それ、わたしもやりたいなー……なんて」

「は?」


仲間に入れてとお願いすれば、なに言ってんだこいつ、みたいな視線が一斉にこっちを向いた。


おかしなこと言ったかな?


「おまえ、ゲームすんの?」

「それなりに」

「へぇ、じゃあやってみろよ」

「はい!」

< 96 / 217 >

この作品をシェア

pagetop