クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「なに、してるんですか?」
ぎこちなく声をかける。
やっぱちょっと怖い。
「あ?……なんだ、花姫かよ」
わたしの方をちらっと見て、すぐに視線を戻す男子たち。
どうやらスマホでゲームをしてるらしい。
「あーくそっ。また固まった」
「通信安定しねーなぁ」
カーレース系のゲーム?
……あっ!これわたし知ってる。組のみんながたまに遊んでるスマホゲームだ。
車を好きなようにカスタムしてリアルな街並みを走って競う、人気の対戦ゲームだよね。
「気ぃ散るからどっか行ってくんね?」
じっと眺めていたせいか、邪険にされてしまった。
「ごめんなさい。……あー、でも……」
「んだよッ」
「それ、わたしもやりたいなー……なんて」
「は?」
仲間に入れてとお願いすれば、なに言ってんだこいつ、みたいな視線が一斉にこっちを向いた。
おかしなこと言ったかな?
「おまえ、ゲームすんの?」
「それなりに」
「へぇ、じゃあやってみろよ」
「はい!」