錆びきった鐘は
きっと寒さのせいだけじゃない理由で真っ赤になった顔なんて、見せられない。
その瞬間離された手は、ゆっくりと定位置にもどる。なあ、と私にかける声があたりに広がる柔らかな光に吸い込まれるみたいだった。
「……これ、俺ので良かったらさ」
ふわりとなにか暖かいぬくもりが肩にかけられるのを感じた。さっきの今まであんなにいろいろ考えて振り向けなかったのに、いとも簡単にそれが何かを確かめるように頭を右に向ける。
「こんな、恋人がやるようなこと俺なんかで申し訳ないんだけどさ。でも、寒すぎて見てらんなかったから」
もう少し頭を、ついでに身体も動かせば、皆城くんとバッチリ目があってしまった。
「……ありがとう」
絞り出した声に、お礼の気持ちを乗せる。
その瞬間離された手は、ゆっくりと定位置にもどる。なあ、と私にかける声があたりに広がる柔らかな光に吸い込まれるみたいだった。
「……これ、俺ので良かったらさ」
ふわりとなにか暖かいぬくもりが肩にかけられるのを感じた。さっきの今まであんなにいろいろ考えて振り向けなかったのに、いとも簡単にそれが何かを確かめるように頭を右に向ける。
「こんな、恋人がやるようなこと俺なんかで申し訳ないんだけどさ。でも、寒すぎて見てらんなかったから」
もう少し頭を、ついでに身体も動かせば、皆城くんとバッチリ目があってしまった。
「……ありがとう」
絞り出した声に、お礼の気持ちを乗せる。