俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
「お話、とても感動した。
あんな風に思っていていてくれてたなんて知らなかったから、嬉しかった。
ずっと気になっていた事だったし…。」

「そうか…、言葉に出してちゃんと言うべきだったな。
ごめん、勝手に伝わってるとばかり思っていた。
果穂には感謝しかない、いつも支えてくれてありがとう。」

「こちらこそ、講演会に呼んでくれてありがとう。」

お互い十分抱きしめ合った後、向かい合ったまま笑い合う。

「今日はこのまま帰ろうか?」
翔が真顔でそう言って来るから笑ってしまう。

「ふふっ、新田さんに怒られちゃうから駄目だよ。」
果穂はそう言って、翔から離れて翔の衣装が乱れていないか確認し、ネクタイを整えてあげる。

「何か飲み物でも買って来ましょうか?」
果穂は話し疲れただろうと、翔をソファに座らせて飲み物を買いに行こうとドアに向かおうとする。

そのタイミングで、翔に手を引っ張られて気付けば翔の膝の上に横抱きにされていて驚く。

「ちょっ、ちょっと翔さん、誰か来たら恥ずかしいから…。」
慌てて降りようとするのに降ろしてもらえず、狼狽する。

「飲み物は新田が買ってくるから大丈夫。
それよりも今はここに居て欲しい。」

「で、でも、誰か来ちゃう…。」
食い気味に唇を奪われ、話すべき言葉も奪われる。
容赦なく唇を割って入って来た舌は、果穂の口内を謀略武人に動き周り理性をも奪う。

息が乱れて、どうしようも無く翔に溺れる。

やっと離れた翔の唇は怪しげに光っていて、果穂はそれをぼんやり見つめるしか無くて…。

「どうしよう。このまま果穂を抱きたいんだけど。」
ストレートな翔の言葉にびっくりして、我にかえる。
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