俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
「手が冷たいな。寒く無いか?」
「ちょっと緊張してるせいだと思うので、
大丈夫…。」
ソファに置いてある膝掛けを果穂の肩にかける。
「果穂…、大変な事に気が付いた。」
「えっ⁉︎どうしたの?」
果穂は心配になって翔の次の言葉を待つ。
「…このドレス、背中が思ったより透けて見える…
俺、写メで正面からしか見てなかったから…やばい色気がダダ漏れだ。」
頭を抱え始めた翔をなだめるように、
「えっと……大丈夫だと、思うけど?」
自分に、色気なんて程遠いイメージだから、心配する事は無いと思う。
なのに、翔は一大事だと言う顔でこちらを見てくるから、
「翔さん、私、自慢じゃ無いけど20歳過ぎてるのに未成年だと思われて、コンビニでお酒買えなかった事があるくらいだから、
大丈夫だよ。」
そう言ってみる。
翔は、はぁーと深いため息を吐いて、
「…果穂はもっと自分の事を知るべきだ。
フィルター説はもうとっくに消えてるだろ?雅也も優斗までも、果穂の綺麗さに目が眩んでた。」
「あれは、一種のお世辞ですよ。
一応着飾ったから褒めてくれただけですから。
それより何が食べましょうよ、このスコーンとか美味しそう。」
果穂は、話を無理やり変えて目の前の美味しそうな、三段のケーキスタンドに手を伸ばす。