俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
「自分は、果穂の望みを叶えたかっただけなので、お礼なら果穂にお願いします。」
そう言って、果穂に微笑む旦那様は、どこまでも優しく誰よりも素敵に見える。
「こんばんは、ご無沙汰してます。」
果穂も可奈の母とは顔見知りで、小さい頃から良くしてもらった。
「果穂ちゃん綺麗になって、
元々綺麗だとは思ってたけど、結婚してからはより美しくなったわ。前にもましてお母さんと似て来たわね。」
果穂の母とママ友だった可奈の母は、
小さい頃から男1人で子育てに奮闘するる父を助け、
果穂達兄妹の面倒をよく見てくれていた。
「そうでしょ?果穂が1番母親似なんだよ。」
母の話が出て、嬉しそうに父が言う。
「果穂ちゃんが近くにいないと守君寂しいんじゃない?」
父とも幼馴染の可奈の母は良き先輩であり、理解者でもある。
「今まで果穂には家族の事や仕事の事で負担をかけたから、これからは自分の為に生きて欲しいんだ。」
改めて、父の気持ちを聞いて果穂は胸が熱くなる。
「お父さん、そんな風に思ってたの?
私、そんな事一度も思った事ないよ。
家族だもん助け合うのは当たり前の事でしょ。」
果穂がそう伝えると、
「これからは、翔君が1番の果穂の家族なんだ。父さんや亮太達は2番でいい。
幸せになって欲しい。」
「ありがとう、お父さん。」
この一年バタバタと過ごしていた果穂は、
やっと今、結婚したんだなぁと実感する。
それはこれまでの地元の生活との決別でもあり、寂しくも思う。
急にいろいろ感情が溢れて、涙が出てくる。
結婚式でも披露宴でも緊張の為か泣けずにいたから、全てを終えた今、安心感に包まれたせいか涙が溢れて止まらない。
「おいおい。父さんが果穂を泣かしたみたいじゃないか…。翔君、ちょっとちょっと。」
慌てて翔を呼ぶ。
スタッフと打ち合わせの為、少し後ろにいた翔も慌てて駆け付ける。