契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける
「おまえの家族の目がなくても新婚夫婦なら手を繋ぐくらい当たり前だろ。逆に離れて歩く方が不自然だ」
ついには恋人繋ぎにされてしまった手に、胸が締め付けられすぎて何も言えなくなりうつむく。
なんかもう、とてつもなく恥ずかしくて顔がどんどん熱を持っていくのがわかった。
チラッと見上げると、飄々とした横顔があって、経験値の差を見せつけられた気がした。
今日の朝、朝食を済ませて夏美さんのホテルを出たあとは、私はすぐにバイトだったため、昨日の一連の件については話していない。
とくに掘り返して話す内容もないけれど、何もなかったかのように過ごすのもなんだか違う気がして「あの」と切り出した。
「昨日は本当に迷惑かけてごめんね。でも、すごく助かったから、ありがとう。その後のホテルでの言葉も……その、ありがとう。嬉しかった」
昨日も、お礼は一応伝えてある。
そのときは、悠介の顔を見てすんなりと出てきた言葉が今はつっかえつっかえにしか出なくて、私が自分の恋心に気付くか気付かないかでこんなにも変わるのかと驚いた。
っていうか……昨日の夜の件は、今考え直すと相当やってしまった気がする。
『違う。全然嫌じゃなくて……むしろ、その、気持ちいいし、もっとって思ってた。でも……だって、こんなの、されたことにびっくりしすぎて頭が追い付かないよ』
『え、でも、こんなの、悠介以外の人となんてまず考えられない……』
本当に……自覚していなかったとは言え、すごい発言だったと今更ながら頭がクラクラした。