契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける
〝気持ちいい〟とか〝もっと〟とか、〝悠介とじゃないと考えられない〟とか、もうほとんど告白しているようなものだ。
悠介の顔を見ながら普通にそんな発言をした自分も、悠介とのキスも、悠介に触れられたことも、すべてが時間差で羞恥というダメージとなりのしかかってきてしゃがみ込みたくなった。
恋をした女の子は無敵だと何かで聞いたことがあるけれど、私に限っては、恋心なんて自覚していなかったときの方が、怖いもの知らずだった気がした。
視線を感じたからといって、平気で悠介にくっついていたし、悠介の腹筋をベタベタと触り倒したこともあった。……というか、そもそも〝悠介〟なんて、普通に呼び捨てにしている時点でなんだか、もう……恋人同士みたいで照れる。
ジタバタしたくなるのを耐えながらも口を引き結んで、顔がにやけないよう努める。
私がひとり葛藤している間も悠介は平然としているのを見て、もしかして、とある疑惑が浮かんだ。
悠介って、公衆の面前でベタベタすることに抵抗がないのだろうか。どちらかと言えば硬派なイメージだったけれど、意外と平気なのかな。
指輪を購入するときも、堂々とジュエリーショップに入店して店員と積極的に話して決めていたし、今住んでいるホテルだって自分の家のように詳しい。
いくら、有沢グループのホテルだからといって、悠介は仕事的には関わっていないのだから、詳しいのは単によく利用しているからかもしれない。
ジュエリーショップにもホテルにも、そして、手を繋いで歩くことにも慣れているのは、今までの恋人にも同じようにしていたから?
指輪を贈って、ホテルに一緒に泊まって、こうして手を繋いで歩いてたの?
……誰と? どんな人と?