契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける


今は置き場所があるからいいにしても、離婚の期日がきてひとり暮らしを始めたとき、あの服の量は問題だ。
でも、せっかくの厚意を捨てたり売ったりしたくもないので、どうにか入る場所を探さないと。

だけど、その前に……。

「それより、結婚アピールしておきたい相手とか、親族とかいたら言ってね。私、悠介にあれだけ助けてもらったのに全然返せてないから、期限までに協力できることはなんでもするから」

鼻息を荒くして言った私に、悠介はしばらく黙ってから目を逸らし「そうだな」と呟いた。

悠介が好きだからこそ、期限内は立派に偽装夫婦を演じ悠介の役に立つ。
きちんと仕事としてやり終える。

そう決めたのに、気付いたばかりの恋心は意外にも狂暴で自制が効かず、悠介に飛び掛かりたくてうずうずする衝動を抑えるのが大変だった。



悠介は、自分がしたくてしているだけだからと言ってはいたけれど、やはり多少無理して時間を作ってくれていたのだろう。

私とホテルの部屋に帰宅したあと、夕食を済ませた悠介は、「少し仕事してくる」と言い、再び部屋を出て行った。

いくら悠介が気にしなくていいと言ってくれていても気になりながらも送り出し、落ち着かないままお風呂を済ませ、ドライヤーをかけ終えたところで携帯が鳴り……液晶画面の〝雄二さん〟という表示を見て慌てて通話ボタンをタップした。

それから三十分ほど私の近況報告を聞いた雄二さんは、携帯の向こうで安心した声を出す。

< 128 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop