もう一度、重なる手

「ベッド行く?」

 アツくんがそう訊ねてくるのは、眠たいからじゃない。

 甘い声と絡みつくみたいな視線に、何かを期待して下腹部が疼く。

 コクンと頷くと、アツくんが私の頬に触れて唇を重ねてくる。それから私の手を繋いで立ち上がらせると、ベッドのあるロフトへと導いた。

「このロフトは悪くないけど、階段上るのが焦れったいな」

 ロフトに繋がる階段を上ると、あとからあがってきたアツくんがそう言って、私を横から抱えるようにしてベッドに倒れ込んだ。

 私の上で子どもみたいに顔をしかめるアツくん。その反応が意外にもかわいくて、ふふっと笑うと、不意打ちでキスが落ちてきた。

「んっ……」

 声を漏らした唇の隙間から、アツくんの舌が割り込んできて絡めとられる。

「フミ、まだ眠い?」

 口角を引き上げながら私を見下ろすアツくんは、わかっているくせに意地悪だ。

「もう、眠くない……」

 顔を背けてつぶやくと、アツくんがクスリと笑う。

「フミ、可愛い」

 横を向いた私の耳を、アツくんが唇で食む。耳にかかる熱い吐息に、身体中がゾクリと、快感に震えた。

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