もう一度、重なる手
◇◇◇
〈おはよう。11時に史花のマンションまで迎えに行くから。〉
翔吾くんの両親と会う約束をした日の朝、彼からラインが届いた。
翔吾くんからのメッセージ見た私は、目覚めたそばから憂鬱な気分になっていた。彼の両親と会うことが、ついに避けられない事態になってしまったからだ。
今日の午後、私たちは翔吾くんの車で埼玉にある彼の実家にお邪魔することになっている。
12時頃に翔吾くんの家に着くように向かい、ご両親と一緒にお昼を食べる予定だ。
気を遣わないでいいと言ったのに、翔吾くんの両親は私たちのために、少しいいお店のお寿司をとってくれているらしい。
私の思い過ごしかもしれないけど、翔吾くんのご両親から近日中の結婚を迫られているようで、なんとなくプレッシャーだ。
どう足掻いたところで時間になれば翔吾くんが迎えに来るのだから、腹を括るしかないのだけれど。ベッドから起き上がった私の口からこぼれるのはため息ばかり。
午後から大雪にでもなればいいのに……。
そんなふうに思うけど、今は夏。
梅雨も明けて、今日の天気予想は一日をとおして快晴。しかも、最高気温35℃を超える真夏日だ。雪など降ってくるわけがない。
わたしは深いため息を吐くと、立ち上がってキッチンに向かった。