もう一度、重なる手

「そっか。俺の迎えを待つより電車かタクシーに乗ってしまったほうが早いね」

「うん。でも、電話かけてきてくれてありがとう。出かける前にアツくんの声が聞けて、少し気持ちが落ち着いた」

「それならよかった。もし何かあったら、いつでも駆け付けるから。すぐに連絡してね」

 心強いアツくんの言葉のおかげで、憂鬱だった気持ちが和らぐ。

「ありがとう」

 アツくんとの通話を切ると、私は病院へと向かった。

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