エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
(このままじゃダメだ。ちゃんと話さないと)
気持ちを切り替えるために食後のコーヒーを淹れ、瑠衣はソファに座って大和に話を切り出した。
「あの、お話があるんです」
「なに?」
ドキドキと鼓動が跳ね、緊張から呼吸が浅くなり、口の中がカラカラに乾いている。
自分のことで精一杯な瑠衣は、大和の表情が曇ったが瑠衣は気付かなかった。
喉に張り付くように声がうまく出ないのを誤魔化すように、ひと口コーヒーを飲んでから、ずっと考えていたことを口にした。
「もしも結婚して一年経っても子供ができなかったら、事務所を継ぐという話は一旦保留にしませんか?」
アメリカへ行きたいなら行くべきだと瑠衣がいくら言ったところで、きっと大和は事務所や瑠衣を守ると首を縦に振らない。
それならば、一度しがらみを断ち切ってみるべきだ。
沙良に言われるまでもない。大和を想う気持ちは負けないし、過去はどうであれ、今彼にとって唯一の女性なのは自分だ。
(だからこそ、大和さんの背中を押すのは私の役目)
そう思って提案したのに、大和の表情が一気に険しくなる。