研がれる私/長編エロティックミステリー
トリック①


浴室からは厳密には一緒ではなく、私の方がほんの少し先にリビングに入り、冷蔵庫の中に戻してあったシャンパンを素早く取り出した

そのシャンパンはカレが戻る直前を見計らって、二人のグラスへ注ぎ足したわ

「あー、残ってたのに足しちゃった…。まあ、いいか…。さあ、乾杯しようよ、ねえ~、はやく~」

ここでも猫なで声でエイヤーだった

「ハハハ…、全くお前って結構せっかちだな。一緒にいてこんなに飽きない女は初めてだ」

康友…、そんな素敵な褒め言葉聞いたら、ちょっと決心鈍っちゃうよ








***


「カンパーイ…!」

”ゴクゴクゴク…”

やったぞ、投入完了だ!

「ふ~、お前の言う”一発後”の一杯がこんなにうまいとはな。さっきのシャンパンとは味が違ったわ。はは…」

一瞬ドキッとした

まさか気が付いてないよね、この人…


***


カンパイの後は私もさすがに落ち着かず、あれこれ喋りまくって、ボロが出ないように何とか時間稼ぎをね…

ちょっとわざとらしかったとは思うけど、しゃべらないとどうしても不安になっちゃって…

なので、ラインはムリだった

さすがにカレの視線を感じて、その間にスマホって勇気はなかったよ

そこまでの余裕は…

この際、仕方ない

石渡へのライン発信は康友が眠りについてからでいいわ


***


「ふわ~。なんだか急に眠くなってきた」

「ふわ~~…。私も何だか眠くなってきたかな…。今日はいつもより激しさはなかったけど、ねっとりと愛してもいらったから、かえって体力使ったのかな、ハハ…」

このアドリブ、ちょっと賭けだったけど、康友は笑って応えてくれてた

よし、それなら更にやってやれ

「ちょっと、横になっちゃっていいかしら?」

なんと、私からソファの上で寝そべるアクションをね…

「ああ…。じゃあ、オレも…」

想定通り、カレはソファの上で横になって、両腕を頭の下に敷いた

どうやら一休み態勢に入ったわ

さあ、康友…

ぐっすり眠ってちょうだい…





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