研がれる私/長編エロティックミステリー
カレ、阿修羅?④


「ハハハ…、よくやった、高石。今、手当してやるからな…」

石神はそう言って、手際よく高石さんの傷口を消毒して、包帯を巻いてる…

なんという男なの…⁉

私の愛する恋人は…

でも、ココロのどこか深いとこでは、ここまで冷徹なこの人に痺れるような感覚も湧いているようだった

性的なソソリ感も含めて…

”それ”って…!

私の求め病んできた、もっともっと!…、な刺激なの?

私はもはやアタマがカオスに陥った


***


「…よし!次は石渡、お前が頭上の細い足を刺せ。やれたら手当してやるからよう。早くしないと壊死するぞ、お前のブヨんだ足!おお、どくどくと噴出してるわ、アハハハ…!さあ、これで一気にやれ…。急げ‼」

”石渡…、ダメよ、ゼッタイ!”

私はもう体裁など殴り捨てて、心底から懇願してたわ

それ、即声に出た…

「もうやめてー!石渡、あなたもやめて‼石神ー、あなたと私のストーリーなのよ!殺すんなら、あなたが私を直接殺しなさいよ‼もう、みんなには手を出さないで!手錠を外してやってよー!!」

私は半狂乱となっていた

でも、阿修羅の本性を現した石神は、表情一つ変えず、淡々とした口調でこう答えた

「ルイ…、刺激中毒を自負してたお前がよう、こんな究極の刺激を体験できる機会を作ってやったのに、その舞台から逃げるのか…?オレは本気だと言ったはずだ。オレに対する恨みに付け込んでよう、この3人を引き込んだのは、お前だろが!オレじゃあない」

「そうよ!だから、まずはこれ以上傷つけないで‼もう、この人たちを…」

「ヌルいこと言ってんじゃないって‼…この期に及んで、見損なったぞ、ルイちゃんよう。今までの威勢はなんだったんだよ?あー⁉」

「…」

さすがにそう突きつけられれば、返す言葉なんかないって…、私には‼


***


ここに来ても石神は容赦など皆無だった

「…さあ、石渡、雑音は気にするな。出血死したら元も子もないぞ。さっさとやれ!」

「ダメー‼やめてーー!!!」

”ブスッ‼”

「ぎゃあーー!!」

石渡はやっぱりやったわ…

あの野郎!!


***


「石橋さん…‼大丈夫⁉」

「ルイ…、アホか、お前?大丈夫なわけないだろ。ああ、石橋…、ほれ、これを握ってな。いよいよ、お前の番だ。クライマックスってヤツだわ、ははは…。ああ、ちょっと、心の整理してろ。痛いだろうけど。まず、約束だから、このデブの手当してやんねえといけないんでな」

「うっ…、ううっ…‼」

「石橋さん…⁉」

「ルイちゃん…」

もう、血の臭いが充満して、頭がくらくらしてる

なんだか意識もどこかに飛んじゃいそうだよ!

なんでこんなことになっちゃんたんだ…

はは…、決まってるじゃん

私が作ったんだよ、このストーリー

宮本ルイというワタシ…、狂ってたわ、やっぱ…

ここに及んで、今いる私は自分が誰なのか…

これが現実なのかどうかも、わからなくなってきた…




< 118 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop