研がれる私/長編エロティックミステリー
私は殺された…①


自分が殺されることを覚悟した瞬間…

カレの言ってたコトが理解できた

こういう気持ちだったのねって…

それだけだったけど

でも…

ああ、なるほど…、ではあった

ということで、”そこ”での私は確かに殺された…


***


”ゴットン、ゴットン、ゴットン…、ゴオー、オー…”

ドス黒い血のシルエットが目の前、瞳の湖からスッと去って行くと…、私は静かに瞼を上げていた…

闇から解放された”そこ”には、1M程度眼上にあるうす暗い天井?らしき、灰色のカーペット…?

少しして視界の片隅に、人の影…

いや、人間の肩だ…

それが入っていた

そのそれって…、カレ…?


***



私の状況認知は秒刻みで、すごいスピードを伴っていた

ここは車の中だ…!

私は助手席を下げたシートにもたれて上を向いている…

視界の右端に映ってる人間の肩は、運転席の男の人…、それはたぶん石神康友…

まずは、ここまで瞬時だったのよ

次に‥、さっきの音は電車が線路を通過してた音で、ウインドウ越しの様子から、夜明けっぽいと…

ここまでも実にスムーズだった

でも…

目覚めた”ここ”が果たして、この世かあの世かの、肝心な判別ははっきりできていない

私は確か殺された…

そのはずだけど…


***


「…気がついたようだな、ルイ」

それは低い声だった

そしてその声は、明らかに康友のものだった


***


「…私、生きてるの?」

「ああ。だが、オレと一緒にイカレた物語を演じた宮本ルイは、殺した。あの場でオレがな…」

「どういうこと、それ…?」

「それを答える前に、お前が気を失った時の状況と、その後の報告をしよう」

「…」

私、殺されなかったの…??

でも康友は自分が私を殺したと言ってる

わからない…





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