研がれる私/長編エロティックミステリー
私は殺された…②



私は康友からひと通り聞いた

カレは丁寧に説明してくれてたわ


***


「…あのカウントダウン終了の瞬間、石橋はお前の心臓めがけて手にしたナイフを振り下ろした。それは事実だ。そうだな…、その刃先がお前の心臓とほんの10センチってとこだったか…。オレは日本刀でヤツの右腕を、手首と肘中間近くから切断した。で…、血を吹き出してるその手首がルイの胸あたりに落ちた。そこでお前は気を失った」

「!!!」

「…その後、すぐに外からサイト側の残務処理部隊が飛びこんできてな。わずかの時間で、”あと片づけ”を完了させたわ。3人は然るべき病院に搬送したから、今頃手厚く治療を受けてるよ。そこは安心しろ。昨夜の件はモンスポも動いて、警察沙汰にもならんし…」

「!!!」

私は呆然…、唖然としてるほかなかった

ただ、状況は結構明確に把握できたし、記憶もすでにほぼ戻って、”あの時”…、いいえ、”かの瞬間”のことがフラッシュバックしていたわ


***


「じゃあ、終わったのね…!あなたと私が創ってきた物語は…」

「ああ、エンディングはここでとなる。愛する者同士の恋人たちによる顛末は、お前をオレに殺させた…。これが結末だよ」

「私、死んでないよ、私。なのに、どうして…」

「最初に言った通りだ。”あの時”のお前…、オレと共演してる時点での、刺激と交尾し続けて生きていた宮本ルイは間違いなく、お前を心底愛していたこのオレがぶっ殺したんだ。まあ…、その真意は、これから時間をかけてよく考えを巡らしてみろよ。自分のアタマで‥‥」

「でも、一つ教えて!…私を殺したといっても、実際に死んでない。なぜ、あの刀で刺して私の命を奪わなかったの?あなた、はっきりそれをするって…、石橋にもそう宣言してたわよ」

うん…、そこは生々しくもはっきりと記憶してるし

「ヤツに極限の選択を迫るためにだ。お前を殺すとは最初から宣言してはいたが、それはオレの”定義”でだった。もっとも、ホントにやろうと思えば、あの状況なら容易くできたがな…」

「…」

私は次に何を聞いていいのか、すぐには頭に浮かばなかったわ…





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