研がれる私/長編エロティックミステリー
私は殺された…③



でも…、まもなく、ごく当たり前の疑問はすんなりと出た

カレは私を殺したとしても、私を”あの女性たち”みたいには殺さなかった

これは間違いないとなるよ

では、それはどうしてなのか…


***


「…オレとお前の産み落とした二人の”殺し合い”ってよう、要はその…、まあ本気の覚悟だな…。それを前提としてガチでぶつかり合うことであると同時に、それはイコール、深く愛し合うってことだったんだ。厳密には、実質、互いに溺れ合うってのと同義だと、オレは捉えてるが…」

「…」

私は無言だったが、しきりに頷いていた

「…オレはさ、より強い刺激を受けていかないと生きて行けないほどの、重度の刺激中毒患者だった。苦しかった…。そんなオレを抹殺しようとしてくれてたのが、宮本ルイだった。最終的に、お前は本気にまで持っていってくれたみたいだし。…一方のお前はさ、好奇心がベースになってはいたが、より強い刺激を求める志向を止められないと自覚してるいわばドラッガーだった。その二人が、お互いの己を消し合う作業、イコール命の取り合いだったって訳だ。だから、お前とは、”彼女たち”との一方事情を押し付ける関係ではそもそもなかったってだけさ、オレにとってはな…」

私はここで急に身震いした

核心…

そんな2文字が、アタマにふわっと浮上していたのよ!


***


「…オレはお前がさ、そのまま刺激に魅入られ続けていくと、刺激の奴隷になる。究極のところまで、刺激や危険を追い求めることの顛末がどんなものなのか…。それを知って欲しい…。そうすれば、本当の宮本ルイなりの人を愛する”自分の姿”を掴むことができると…。だから、オレの側からすれば、それを教唆するということは、あの時点での刺激中毒者宮本ルイを抹殺することに等しいとなる」

「…」

もう霧が晴れるようだったわ…

もっとよ…

もっともっと、全部を教えて、康友…!


***


「…いわば、刺激に取り憑かれた者同士の共通軸で、心の芯から愛し合い、互いをその愛する気持ちで救うという行為…。かなり歪んだ形にせよ、オレたち二人の共演はよう、この過程だったんだ。だから、お前を”あの世”に逝かせるとう作法は最初から伴わなかった。当然、例の3人にも、傷は負わせても殺すことは一切、考えていなかったしな」

私は目から鱗だった

そう言うことだったのか…

この一言に終結したわ

ただ…、そこで、どうしてもまだ確かめたいことがまだあるわ





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