研がれる私/長編エロティックミステリー
私は殺された…④
「今のあなたのコトバ、十分理解できたし納得もした。そこで教えて!あなた…、ひょっとして、あんなシュチエーションを用意して、石橋さんに鬼のような踏み絵を迫ったことって、それを私にまるまる目撃させることで、”私たち”が本気で愛し合えるかどうかを試したんじゃないの?」
「それに近いが、厳密にはルイ‥、お前に人の愛し方を変えさせたかった…。そう言うことになるよ」
「…」
「…加えて言えば、それはお前と同様に病めるオレ自身への自慰、治癒も兼ねていたんだ。要は、愛する相手を殺せば同時にオレも殺されるんだ…」
私は何故か、ガツーンとハンマーで殴られた気がした…
***
思い起こせば私の男性遍歴なんて、所詮は薄っぺらい張りぼてだったのかもしれない
”私は粗悪淑女、その辺の男を腐らす性悪オンナと一緒にすんな…”
そんなこと気取ってたけど、刺激などにかまけ、かえって惑わされていただけだったのかもって
それで、とどのつまり…、真に深く愛することができない自分を自分で日々飼いならしてるのに、そんな自分から脱皮できることと逆のことをずっとやってきた…
そうは言えないだろうか…
***
今回、刺激を求めるどうしようもない己の性を通して、康友は私にそれこそ逆療法で、私の求めていた深く人を愛する姿を産み落としてくれたのよ!
あの場で、私は浅はかな身の程知らずの刺激ゲームにみんなを巻き込んだことを心から悔い、謝り、人の優しさを骨身に染み込ませることができた
石渡のような卑しい姿を写し鏡として、高石さんの純朴な人を思う心と、石橋さんのまっすぐな愛を感じる目を、あの場で得ることができたんだもの…
石橋さんの心とはしっかり繋がり合ったと思うし、はっきり今、愛してると自覚できてる
だから、康友にはこれも教えて欲しい…
あの時、石橋ミチヒロは、本当に私を刺す気だったのかを…
***
「…それは”ここでの俺”が答えることじゃない。苦しくても、”お前ら”二人で答えを探せ。”ヤツ”は確かにオレに迫られ、カウントダウンのギリギリでお前にナイフを振り下ろしていた…。その切っ先がお前の体に届く寸前で止めるつもりだったのかどうか…。果たして、オレやお前だけじゃなく、あいつ自身でも本当のところがわかっているのかどうだか…。そういうことだよ、ルイ‥」
「うん、わかったわ!私たち、それと向き合ってみる。苦しいだろうけど…」
「ああ、ガンバレ」
康友は目を細めてそう言ってくれた
「今のあなたのコトバ、十分理解できたし納得もした。そこで教えて!あなた…、ひょっとして、あんなシュチエーションを用意して、石橋さんに鬼のような踏み絵を迫ったことって、それを私にまるまる目撃させることで、”私たち”が本気で愛し合えるかどうかを試したんじゃないの?」
「それに近いが、厳密にはルイ‥、お前に人の愛し方を変えさせたかった…。そう言うことになるよ」
「…」
「…加えて言えば、それはお前と同様に病めるオレ自身への自慰、治癒も兼ねていたんだ。要は、愛する相手を殺せば同時にオレも殺されるんだ…」
私は何故か、ガツーンとハンマーで殴られた気がした…
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思い起こせば私の男性遍歴なんて、所詮は薄っぺらい張りぼてだったのかもしれない
”私は粗悪淑女、その辺の男を腐らす性悪オンナと一緒にすんな…”
そんなこと気取ってたけど、刺激などにかまけ、かえって惑わされていただけだったのかもって
それで、とどのつまり…、真に深く愛することができない自分を自分で日々飼いならしてるのに、そんな自分から脱皮できることと逆のことをずっとやってきた…
そうは言えないだろうか…
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今回、刺激を求めるどうしようもない己の性を通して、康友は私にそれこそ逆療法で、私の求めていた深く人を愛する姿を産み落としてくれたのよ!
あの場で、私は浅はかな身の程知らずの刺激ゲームにみんなを巻き込んだことを心から悔い、謝り、人の優しさを骨身に染み込ませることができた
石渡のような卑しい姿を写し鏡として、高石さんの純朴な人を思う心と、石橋さんのまっすぐな愛を感じる目を、あの場で得ることができたんだもの…
石橋さんの心とはしっかり繋がり合ったと思うし、はっきり今、愛してると自覚できてる
だから、康友にはこれも教えて欲しい…
あの時、石橋ミチヒロは、本当に私を刺す気だったのかを…
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「…それは”ここでの俺”が答えることじゃない。苦しくても、”お前ら”二人で答えを探せ。”ヤツ”は確かにオレに迫られ、カウントダウンのギリギリでお前にナイフを振り下ろしていた…。その切っ先がお前の体に届く寸前で止めるつもりだったのかどうか…。果たして、オレやお前だけじゃなく、あいつ自身でも本当のところがわかっているのかどうだか…。そういうことだよ、ルイ‥」
「うん、わかったわ!私たち、それと向き合ってみる。苦しいだろうけど…」
「ああ、ガンバレ」
康友は目を細めてそう言ってくれた