研がれる私/長編エロティックミステリー
三人目の男②



早くも三度目となったカクテルバー、”インセイン”は、すっかり私のお気に入りの店だった

今日は今までと違ってラフな服装で臨む

穴あきジーパンに、迷彩模様の丈が短いTシャツ…

へそ見え覚悟の、およそ面接官にはあり得ないナリってことにした

なんと言っても、今日の三人目は私をヒモ相手で狙ってるプーさんだ

二番目のカレをほぼ”当確”としてるので、落とすのは必至だし、いわば今日はアリバイつくり

なので、こっちもリラックスでやらしてもらう

ゴメンナサイね、プーさん…、という訳

***


毎度お決まりの文句も人によってさまざまだ

三番バッター、石渡カズヒコ33歳は予想通り、外見も冴えないチョイデブだった

コイツにヒモになってっと言われて、”はい喜んで”なんて人、ゼッタイいないだろう

前回が飛び切りのオトコだったせいもあり、早くもNG出ししたいのを堪えるのが大変だったわね

まあ、ひと通りの話くらいは…、ということではあるが…

今日は時間が長く感じることだろう


***


プー・カズヒコのドリンクオーダーは、ジントニックで、然もあらんだった

「…あなた、仮に私のヒモになって、私の恋人、殺せるの?」

「ええ、ヤレますよ。あくまで共犯でってことだけど」

「じゃあ、手口はどんなとこ、考えてるのかしら?」

「まあ、一番無難なのは偽装事故で死んでもらう。どうですか?」

「車ってこと?」

「そう…」


***


見かけによらず、話してみると頭の回転は悪くなさそうだった

おまけにテンポもいい

「経験あるの?」

「ノーコメント」

「面接官に何よ、そのいい加減なアンサーは!」

「そっちだって、そんなカッコで面接官なんだ。オレのこと、ハナからバカにしてるんだし、硬いコト言うな」

なんだか、意味不明なヤローだ…

私はかえって興味がわいてきた

せっかくコイツをエントリーしたんだ

剥いてやれ、脂肪付の化けの皮を…





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