研がれる私/長編エロティックミステリー
異変の始まり①



”そのメール”が届いたのは、石橋ミッチーと待ち合わせの前日夜だった

さあ寝るかという時点で、何とメールの主は当の石橋よ

”今になってのメールとなるとは、明日は都合が悪くなったとかだろうか…”

私は漠然とそう心の中で呟きながら、それ以上は深く考えずにカレからのメールを開封した

しかし、石橋からのメッセージ全文に目を通した後、私は愕然となる

実際それは、背筋が凍る内容だったし…


***


『先日はお世話様でした。実は今日、ケガに見舞われましたので、急で申し訳ありませんが、明日は約束の場所に行けません。面接の結果、仮に自分が採用でも辞退させていただきますので、今回は不採用として扱ってください。勝手言ってすいません、どうか、ご了承ください』

何ということだ…!

私にはこの6行程度の短いメッセージから、いくつかの背景が推測できた

まずは、発信者たる石橋ミチヒコが抱く恐怖心のようなものが伝わってきたこと

おそらく見舞われたケガとは、何者かに負わされたということだろうと…

そしてその際、”そいつ”に脅された

妥当に考えればこうなる

”お前が共演者に採用されても辞退しろ。さもなくば、もっと痛い目に遭うことになる…”

とかって、迫られたのではないかと…

そこで…、じゃあ、”その何者か”は誰なのかとなる


***


あのプーめ!

どこでどう嗅ぎつけたかは知らんが、ミッチーを本命と見て、手を下したな!

たかだかバーチャルの”ごっこ”に過ぎないのに、犯罪行為まで犯しやがって…

でも、現段階ではこれ、私の一推測にすぎない

さて…、なら、どうすべきか


***


私は最初に、石橋ミッチーに連絡をとることにした

まずはカレから、できるだけ詳細を聴取しなければ…

今回の面接者4人とはインセインで面接の際、携帯の番号を交換している

夜も遅かったが、私は躊躇せずミッチーに電話をかけてみた





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