研がれる私/長編エロティックミステリー
カラクリ③



「まず、教えといてやるよ。オレを含め、今回の4人は全員、サイト側の”雇われ”だ。もっとも、本物の会員ユーザーって者も含まれているがな…」

「…」

これもある程度、予想はしていた

でも…、こうもあっさり肯定されると、かえって私のアタマは混乱したわ

そのワケは、言うまでもなかったが…


***



「お前、勘違いするなよ。3人はともかく、オレは単にカネを受けとれれば何でもやるって不節操は持ち合わせていない」

それはきっぱりだったわ

でもここで、私は多くを考える前に、挑発の言葉をカレに発していた

「同じでしょ、今聞いた範囲では。どこがどう違うのよ、ソルジャーーさん」

これに対し、カレも私にど真ん中へとボールを打ち返してきたわ


***


「フン…、3人から生爪ベロリの台本はさ、サイト側が書いたもんではない。脚本家はオレ、イカレた凶行をその手で下したのもこのオレ。言うまでもなく、ベロリの3人にエキストラはなしだ」

「…」

カレのアンサーは単純明快だったわ…

さすがは自称、重度の刺激中毒ヤローだって

私は動揺していてはいたが、口を真一文字にして、右隣の男への目線をそらさすことはなかった

ううん…

実際はそらせなかったのかも…


***


「…いいか、オレは紛れもなく重度の刺激中毒者だ。単にお前の共演者に収まるだけじゃつまらねえ…、せっかくだから互いに魂の芯まで煮やし合いたい…。そう考えてのアイデアだったんだよ、生爪ベロリ3連発はな。これが最初に問われた”理由”に収まる…(薄笑)」

「…」

再び固いハンマーが私の脳天を痛打した

同時に、この男には背筋が寒くなるレベルの底深さを感じたわ

でも、ここで踏ん張る意地をギリギリ持てるのが、筋金入りの粗悪淑女、宮本ルイとなる


***


「同じサイト運営者から金をもらってるのに、自分は他の3人を拷問実験台に送ってモルモット扱いって、たいそうなご身分ね。私から言わせれば、あなたは刺激中毒者じゃあなく、刺激の奴隷よ」

「…」

正に矢継ぎ早で私は毒づいたわ

すると、石神康友の顔色は俄かに変わってきた…





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