研がれる私/長編エロティックミステリー
カラクリ⑥



海外をその舞台とした特殊工作隊の傭兵だったカレは…

それこそその毎日を、生と死の最前線で周囲の人々と接してきたであろうね

カレからすれば、海外での特殊工作隊を離れ、祖国・現代の日本に帰って来た時のカルチャーショックとは、おそらく、宇宙のかなたから緑の大地、地球に帰還した際の、遠大な時差ボケに相当したのかもね

私は”その時”もカレに、不憫を感じていた…

それは愛おしさも伴って

当然、”重度”の刺激中毒者同士ということで、自己満足を内包した、シンパシーらしきものも見え隠れしてはいたが…


***


「このサイトに求めたもの…、オレとしてはセンチメンタルを否定しない。過酷な戦場でのエゴと本能と打算と保身をどくどくと体内に感じながらも、”リアルな現場”で純粋な日本人のオレが、国籍をワープして長大な時間を心と体に刻んで培われたもの…。それは口にできない程、媚びりついていた。狂おしかった…」

この間、二人は目で語り合っていた

”気”も行き来し、受け止め合っていた

どうしようもなく、すくい上げたい気持ち

何を?

それが分らない

でも…

正体不明の荒ぶる自分自身との対峙で、結局はこの人、インセインってことだったと思う

そう、私もちょっと…






< 49 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop