研がれる私/長編エロティックミステリー
シナリオ⑧



「ルイ…、人間の強い弱いをたやすく口に出す人間ほど、外界を知らないんだ。百獣の王ライオンがよう、海で生きられるか?やつら、数日でシャチに食われるさ。逆に生態系の頂点たるシャチだって陸に上がれば、身動きとれずただ死を待つのみさ」

私はつい、頷いてしまってた…

「…要はみんな弱い。無力さ。仮に、それを克服できるとしたら、”意志”の持久力のみ…。長大な時間を淘汰・進化にかける、恐ろしく気の長い戦いの勝者になること。それしかない。そんなもんなんだって…。所詮、自分の生ある時間内では到底叶わない。なら、そこを自覚した我ら人間の誠実な姿勢とはなんだ?」

「私になんかには言葉にできない…」

こんな答えしか出なかったわ、この時の私…

「じゃあ、何となくってことはあるんだな?」

「勘違いかも知れないけど、無力な自己との試行錯誤…」

「…」


***


その時、漠然と感じた

私たち二人の共通点たる源は、自分の生ある間に成せることの限界

それを何気なく知り至った上での、だからこその自暴自棄…

そこにおける、自分の中での何ら意味のない”小爆発”の繰り返しに対するいらだち

それって、結局、刺激を求める気持ちに繋がるのかも…

そうなら、この人も私も平行線どこまでもってんで、こいつとは一緒なのかなって…

私…、ぼんやりとながらも、そんな思いが脳をかすめたわ


***


「だが…、オレがこのサイトに求めた刺激が満たされることはなかったよ。全く物足りなかったさ。それに尽きた。だが…、お前のストーリーに出会って、ようやくビビーンと来きた。これはホンモノだと…。であれば、やっと巡り会えた宮本ルイとは、究極のカタチでヤリ合いたいと。徹底的に…」

「いいわ、望むところよ」

「よし…。なら、お前のストーリー、続きを演るぞ。まず、お前の恋人だが、実際にいるのか?」

「ううん、いない…。このサイトのストーリーに備えて、半年あまり”空家”よ」

「そうなら、早速ここまでの”続編を”サイトにアップしろ。その上で、お前の”恋人役”を募るんだ。オレたちをエントリーしたやり方でいい。その中で選べ。それで”役者”は揃う」

「…」

康友はぱっぱと私に指示を出した

まるで、決められたセリフを放つかのように…






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