研がれる私/長編エロティックミステリー
恋人役、決す!②



カレはレンズから目を話すと、ややいぶかしげな顔で私を見た

「何か見えた?」

「まあ、Kだな」

カレ、ぶっきらぼうだったわ

なら、次の矢、行くわ

私はドラえもんのポッケならぬ、ルイバッグから、今度は二つの封筒を取り出した

言うまでもなく、石橋&高石と思われる”宅配”された生爪ツーピース納入の例の封筒×2だ

さあ、開封、そしてレンズで凝視…

この二つには”M”と”T”が約5ミリで刻印されていたのよね


***


「石神さん、こっち二つもこの百均で拝んで。あなたの宅配したブツよ」

ここでは私、やや嫌味っぽくね…

まあ、挑発だけど


***


カレは2ケとも、形式ばった見たフリだった

「で…、この二つにも文字あったかしら?」

「…ああ、あった。”M”と”Tだな」

「ご名答~!」

カレは勘弁しろよ~って感じで、手元のモスコミュールを一口ゴックンだったわ

「じゃあ、私から言っちゃうわ。その三つ、頭文字よ。カズヒコ、ミチヒコ、トール…。剥がした生爪にネーミングって、なんでなのかしら?」

「…」

モスコー片手のレンジャー康友は、無言でニヤリときたわ


***


「…これも私から言っちゃうか。この3人分の生爪、一度にやったんでしょ?…3人集めて。それでさ、コトを済ませた後、それぞれに名前を刻んだ…。小学生の生徒みたいに。で…、面接結果を告げるために会う、その順番に沿って私のマンションに届けた…。そうじゃない?」

「そうだとしたら、どうだって言うんだ、ルイ…」

おお、開き直りってか…

「あのね、その答えってことなら、”別に”よ。でも、なんだか舞台裏は、”整然”としてて興ざめ感はあるわ。ご苦労様ねって」

「テメー!…まあいい、一本取られたってことにしとこう」

石神康友は一瞬カッときて、それ自体を留保させたまま、相手に振るパターンだった

これって要は、自分の本性をまだ見せないってことでしょ

私にはまだ…

じゃあ、いつよ、”その時”って…





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