研がれる私/長編エロティックミステリー
共犯者たち、結集す!⑤



”ルイ‥、お前の方の準備が整ったら、オレの部屋に招待する。次のストーリーを用意して待ってるぜ”

”だが、生半可な気持ちでなら来ない方がいい。お前の共犯メンツが決まれば、もう互いに命の取りあいだ。そこまで達すれば、オレの本気モードはもう制御が効かない”

”そうなれば愛するが故、オレはお前を心底までとことん傷つける。殺される寸前に恐怖する顔…、そいつを俺の瞳に刻むため…。その時、オレはお前が後悔する目だけは見たくないんだ”

”ここで最後にもう一度念押しする。もし臆したんなら、降りていい。この先は決してお遊びですまない。これからお前が体験することは、バーチャルを越えた世界になる…”

”それは、自分自身がすり替わってしまうことだと承知しろ。オレのテイストにシュガーはない”


***


”自ら進んで刺激の虜になるということ…、それは日々、日常に媚びる自分に屈しないこと…。そう自己に訴え、私はこれまで生きてきたわ”

”あなたの、ここまできての私に対する踏み絵、ありがたいけど蹴らせてもらう。それ、必要ないから。私をどこまで変えられるか、あなたの本気を見届ける。最後まで…。だから遠慮は無用よ”

”私の共犯者は間もなく決定する。そしたら私…、行くわ。あなたの部屋に。たぶん今までの自分は無傷でいられないだろう…。その覚悟を以って…”


***


深夜1時過ぎ…

刺激中毒者同士のイカレれたメールのやり取り…

それは他ならぬ私も、どこか緊迫感を抱きながらだった

そうよ…!

カレが言う通り、二人のロードはすでにバーチャルを超えた

ううん…、最初から二人で作りだす狂気の物語は、ニセモノではなくホンモノ、ガチなリアルなのよ

今夜はそれを改めて自覚した

今のメールのやり取り、カレはシーン挿入してモンスポのオタク連中にアップするのだろうか…?





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