研がれる私/長編エロティックミステリー
共犯者たち、結集す!⑦



私は石渡プーから告げられた、高石との”世間話”を思い浮かべていた

「…高石からはさ、なんか、すべてで逃げに入ってる感じを受けたな。これはオレの個人的な意見になるが、そんなネガティブなヤツを殺しのプロジェクトに加えたら、かえってマイナスじゃないか?こっちの士気だって、下がっちまうよ。ヤツからは、”毒薬”だけ融通してもらうってとこで留めておいた方がいいんじゃねーのかなあ…」

確かに一理あるわ

実際、カレをこっちに引き込む一番の目的は、医療関係の仕事ってことで、人を殺せる薬物を入手してもらうことだったから

でもねえ…

やはりそれだけじゃあ、ターゲットである石神康友に生爪はがされた屈辱を共有する3人を揃えた意味、ないような気がするんだ

やはりここは康友への憎念を共通軸として結集、一枚岩のチームプレーで計画を敢行したいところなんだけど…


***


さらに、プーさんはこうも言ってたっけ

「…俺さ、高石には素朴な疑問をぶつけたんだよ。飲み屋の女に惚れていたのは分かるが、そもそもさ、なんでまた仕事場のクスリを持ち出すなんて大それたハードルをポンと越しちまったんだってな。そしたらアイツさ、しみじみと言ってたよ。その○○子には一番困っていた時を助けてもらったんで、その子の頼みは叶えてあげたかったって」

「どういうこと、それ…?」

「俺が感じたのは、人から優しくされた行為に対する過剰反応だな。結局は一人合点なんだよ。そういうヤツいるよな…。ちょっとした人の親切心を感違いしてさ、勝手に思い込んでのぼせ上っちゃうタイプ…。まあ、それは男も女もないだろうが」

これはいいヒントを得た!

高石がその手のメンタリティーを内包しているのなら、それを”応用”し、さらに逆手に取ってやればいい

私はカレの懐柔策に一案を思い立ったのよ(ニヤリ)





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