研がれる私/長編エロティックミステリー
詰めは爪で①


”その女”はまさに、一見して”文字通り”だったわ

互いに車中であいさつを交わしてすぐ、私はそう見切った

さあ…、そうとなれば、さっさと”コト”を済まそう


***


「…用件はカレから聞いてると思うから、手っ取り早く返事を聞かせてもらうわ」

「あのねえ…、いくら何でもあなたの要求、無茶くちゃですよ。高石さんとこっちが合意を交わしている取り決めに、他人から口を挟まれる筋合いなどないわ。彼にはさ、はっきりノーと返答したから」

「そしたらカレ、何か言ってなかった?」

「ああ…、まあ、色々言っていたわ。…包帯巻いてる指見せて、あなたの要求を拒んだらケガさせられたって。もっとも、それがホントのことなのか、どんなケガかも知らないけどね。それで、私も突っぱねれば何されるかわからないから、承諾したほうがいいってね」

「カレの言ったどおりよ。素直に私の要求を飲んだ方がいいわ」

「冗談じゃないって!そんなにお金が欲しいなら、高石から直にとればいいでしょ?こっちへの決まったペイまで分捕るってのは筋違いよ。断固、お断りだから!」

女はあくまで拒否する姿勢のようだわ

では、こっちもそれなりに行くしかない


***


「カレの収入じゃあ、私の要求額無理なのよ。なので、まずはあなたへの払い分も貰い受けないと、どうにも足んないのよね。ここは首をタテに振ってもらうしかないわ」

「ふざけないで!誰があんたなんかに渡すもんですか」

ここで私はバッグから、小さいビニールの包みを手に取り、中に入っていた高石の生爪を隣に座っている女のスカートの上に放ったわ

「キャー、何よ、これ!」

このケバ女は思わず半身をジャンプさせて、スカートに乗っかった高石の爪を手で払いのけた

「高石が巻いてた包帯の中身にくっついてたもんよ。ホンモノだよ。ペンチで引っ剥がしてやってわ」

私がそう言い放つと、女は目が点になり、明らかに顔は引きつっていた…





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