研がれる私/長編エロティックミステリー

第7章ー開演ー

キャスティング完了①



私は”あの時”、さり気にプーヘ突っ込んだ

「…高石が”その女”から親切&優しくってことで、”行き着いた”のはわかったけど、実際、どういった”馴れ初め”だったのか…、あなた、どの程度聞けたの?」

「ああ、一応”全部”引き出したわ」

「まあ!」

石渡は粘着質の聞きジョーズ、それ、間違いなしだ


***


「…と言う訳でさ、”その子”に完全、参っちゃったようだわ」

なるほどだった…

これで、高石トールは”そこ”が急所だったってことがわかったのよね


***


某飲み屋でカレが知り合った”その女”を、仮にT子としよう

そのT子は高石との共通項があった(見つけた?)

自称、薬剤師を”目指してた歴”アリということで、万札コースのおひとり様準常連だったカレには、積極的に”着いて”いたようでさー

T子のアクションはだいたい想像できるって

”わー!高石さん~、めちゃスゴイ❣️H大薬学部、現役なんだー。あのさ…、私さ、まだあきらめてないんですよね~。こうして夜の仕事に就いてても、また勉強したいと思っててさ。…ねえ~、今度、初歩コースでいいから、教えてくれないかしら、いろいろと…”

”いや~、やっぱ、私あたりとはテキストの疲れ具合が違うわ~。線の引き方も微妙にねえ…。私のなんて、1年通しでも新品状態だったし💧オークションで新品同様!ってやつよ、キャハハハ…。それじゃあ、ムリよねー、薬学合格なんてさ、キャハハハ…”


***


だが高石の眼と心には、”そこ”でのT子はおそらく、夜の顔とは”別物に”映ったことだろう

”意外とマジメなんだな、この子…。夜の仕事しながらも、将来のコト、真剣に考えてるみたいだし…。少しでも力になれれば…”

ケバイ女ほど、殊勝と健気はチラリズムでドーンとアピールできちゃう

はは…、この時点で高石君、骨抜かれてた訳ね


***


それであの人…、程なくして飲み屋帰りの飲酒運転で事故っちゃったと…

んで、その数十分前まで、水割りガンガンすすめてたのがT子ちゃんだったのよね~

高石は当然免停の行政処分、おまけに追突で100ゼロの最悪ケースにつき、ケガさせた相手への補償は保険効かずに全額自腹…

更に勤務先にも当然バレて、減給+厳重戒告の上、自宅謹慎1週間と、まさにフルコースの最悪夢直撃となった

あのナイーブなカレのことだ、その時のヘコミ様は想像に難くないって

フフ…、そこでT子がどんな挙動に出たか、概ね想像はつくでしょ…

ああーー、恐ろしい~





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