もう一度あなたに恋したときの処方箋
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私、どうしちゃったんだろう。心臓がドキドキし過ぎて、胸が痛くなってきた。
「私たち、今、は、始まったばかりですよね」
ついしどろもどろになってしまった。仕事じゃないのに、高木さんに説明を求めてしまう。
「ああ。でも、ずいぶん前に出会ってるし、この半年以上同じ仕事をしてきた」
「それって……」
無理やり話をこじつけたような気もするけれど、間違ってはいない。
「君の気持ちが分かった以上、遠慮はしない。俺たち、結婚を前提に付き合おう」
私が疎いせいか、さっきから高木さんの言葉はストレート過ぎて困ってしまう。
「た、高木さん」
展開が早すぎて、私の理解力ではついていけないスピードだ。
「私、やっと高木さんに触れられるようになったばかりですよ」
「すごい進歩じゃないか」
「でも、結婚したら、その……」
「ああ、そっちか」
結婚したらベッドをともにするのはあたり前だと思うけど、私にまだ自信はない。
その気持ちをなんて言えばいいのかわからなくて困っていたら、高木さんはあっさり『そっち』と言い直してくれた。
「あ、あの」
恥ずかしすぎて、次の言葉が出てこない。
「大丈夫。覚悟は決めてるから、ゆっくりと進めていこう」
「高木さん……」
「ここまで何年もかかったんだ、焦ることないよ。俺は待てる」
うんうんと納得したように高木さんは言ってくれるけど、いいのだろうか。
「手もつなげたし、ハグだってもう大丈夫だっただろう?」
確かに高木さんの言うとおりで、あっという間に私は高木さんの腕の中にいたくらいだ。
「今日から俺たちは結婚を前提に付き合ってる恋人同士だ。近いうちに、正式に婚約しよう」
また高木さんははっきりと次の目標を言いきった。
今夜は長い夢を見ているのだろうか。
学生時代に憧れていた高木さんが、私にプロポーズをしてくれている。