もう一度あなたに恋したときの処方箋



***



私、どうしちゃったんだろう。心臓がドキドキし過ぎて、胸が痛くなってきた。

「私たち、今、は、始まったばかりですよね」

ついしどろもどろになってしまった。仕事じゃないのに、高木さんに説明を求めてしまう。

「ああ。でも、ずいぶん前に出会ってるし、この半年以上同じ仕事をしてきた」

「それって……」

無理やり話をこじつけたような気もするけれど、間違ってはいない。

「君の気持ちが分かった以上、遠慮はしない。俺たち、結婚を前提に付き合おう」

私が疎いせいか、さっきから高木さんの言葉はストレート過ぎて困ってしまう。

「た、高木さん」

展開が早すぎて、私の理解力ではついていけないスピードだ。

「私、やっと高木さんに触れられるようになったばかりですよ」

「すごい進歩じゃないか」

「でも、結婚したら、その……」

「ああ、そっちか」

結婚したらベッドをともにするのはあたり前だと思うけど、私にまだ自信はない。
その気持ちをなんて言えばいいのかわからなくて困っていたら、高木さんはあっさり『そっち』と言い直してくれた。

「あ、あの」

恥ずかしすぎて、次の言葉が出てこない。

「大丈夫。覚悟は決めてるから、ゆっくりと進めていこう」

「高木さん……」

「ここまで何年もかかったんだ、焦ることないよ。俺は待てる」

うんうんと納得したように高木さんは言ってくれるけど、いいのだろうか。

「手もつなげたし、ハグだってもう大丈夫だっただろう?」

確かに高木さんの言うとおりで、あっという間に私は高木さんの腕の中にいたくらいだ。

「今日から俺たちは結婚を前提に付き合ってる恋人同士だ。近いうちに、正式に婚約しよう」

また高木さんははっきりと次の目標を言いきった。
今夜は長い夢を見ているのだろうか。
学生時代に憧れていた高木さんが、私にプロポーズをしてくれている。







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