イケメン検事の一途な愛

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志田淳平から『渡したい物がある』と言われ、待ち合わせ場所に向かった。

翌日からドラマのアクション撮りが始まるため、体を休めようと入浴を済ませ、髪を乾かしていた時に志田から電話を受けたのだ。
志田とは、表向きは交際しているという事になってるため、致し方なく部屋着ではなく外出用の服に着替えて…。

待ち合わせの場所に着くと、彼はいきなり指輪を出して来た。
カップルリングだといい、私の指に嵌めようと。
私はそれを無意識に拒否した。
だって、本当の彼氏である柾くんからでさえ、まだされたこと無いのに。

当然、ドラマや映画の中では何十回としている行為。
だけど、それとこれとは違う。
彼に対して、嘘を吐くことも後ろめたいことをするのも本当に嫌なのに。

彼は志田との関係を知った上で受け入れてくれている。
元々クールなのか、私より好きの度合いが少ないのか分からないけど。
でも、それでも、プライベートな私を支配するのは『久我 柾』以外にあり得ないから。
他の誰でもない。
彼以外の人に……。

無理やり指輪を嵌めようと、狭い車内で掴み合いになり、完全に拒絶する私に脅しとも取れる罵声を浴びせる。

「カメラの前だけじゃなくいつでも俺の女でいないと、お前のことも親のことも全てバラすぞ?仕事が出来なくなってもいいのか?それと、イケメンの彼氏?何してる人か知らないけど、一般人でしょ。仕事に支障きたすようになるんじゃないの?俺らと違って…」

志田の言葉で彼が脳裏に浮かんだ。
公務員の彼。
私との関係がバレたら、マスコミが殺到して迷惑がかかってしまう。
そんなことをぐるぐると考えた、その時。
志田が覆いかぶさるように押さえつけて来た。

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