イケメン検事の一途な愛
『イケメンの彼氏』という言葉に踊らされて隙を作ってしまった私は、必死にもがいてみるものの、抵抗虚しく肌が露わになったのが分かった。
しかも、強引に乱暴しようと拘束する手を離そうともせず。
ホテルで襲われた時は運よく急所を蹴り上げられたけれど、助手席に座っている状態では成す術がない。
奥歯を噛み締め、頭突きしようとした、次の瞬間。
胸元にチクッとした痛みを感じた。
まだ、彼氏にさえ許したことないのに……。
千葉の隠れ宿に旅行に行った際だって、彼は一線を越えなかった。
これまで際どい雰囲気になることは何度もあったけれど、『衝動に駆られて後悔はしたくない』と言った彼。
本気なんだと伝わるから……。
大事にされていることに彼からの愛を感じて。
いつか訪れるであろうその日まで。
お互いに気持ちを大事にしようということにした。
なのに、こんな風に野蛮でイカれたクソ野郎に許してしまった自分が許せなくて。
彼に対して申し訳なさと、嫌われたらどうしようという不安感に襲われた。
無我夢中に志田を払いのけて車から飛び出した私は、大通りでタクシーを拾った。
我に返った時には彼のマンションに辿り着いていて。
午前0時に近い時間だというのに連絡もせずに彼の部屋を訪れた。
突然の訪問に戸惑うような態度を示したかのように見える彼。
でも、知ってる。
彼がそれを本心でしてない事を。
だって、本当にイラついてる時の彼は、眉間にしわが寄って奥歯を噛み締める癖があるから。
深夜に訪問した私を傷つけないように、素っ気ない態度を装う彼。
分かってる。
十分彼の優しさは。
だけど……。