イケメン検事の一途な愛


困惑の表情を覗かせる木島を久我は至って冷静に対応する。

「実は交際報道と共に、週刊誌にスクープされた来栖 湊さんの生い立ちに関しての個人情報を週刊誌に情報を提供したのは志田さんと判明致しまして。更にはその事実を盾に志田さんが来栖さんに『架空の交際』を脅迫及び強要した事実も判明し、来栖さん側と致しましては、これまでプライベートなことは一切公表して来てないこともあり事を荒立てたくない意向だったため、志田さんの提案を受け入れたようなのですが」
「えっ……」
「単なる『架空の交際』というだけならまだしも、昨夜、志田さんからこのようなことを受けまして、これ以上黙認することは到底出来ず、ご相談に伺った次第です」

久我はテーブルの上に昨夜撮影した彼女の写真を提示した。
勿論、事前に本人及び事務所の社長の了解も得ている。

木島は目の前の写真を確認して驚愕した。
返す言葉も思い浮かばないほど、動揺が隠し切れない。

久我は追い打ちをかけるように畳みかける。

「これらの行為は刑法で罰せられる対象です。刑法230条 名誉棄損罪、刑法177条 強制性交等罪、刑法178条 準強制わいせつ及び準強制性交等罪に該当し、未遂であっても刑法180条 未遂罪に該当し、刑事訴訟法第235条の改正に伴い、親告がなくとも処罰の対象になります」
「っ……」
「当事者である、来栖 湊さんが告訴しなくても、第三者でも告訴すれば起訴対象となり得ます」
「………」
「弁護士ではない自分がこの場に来た理由がお分かりになりますか?」

久我は瞬きもせず、木島を見据えた。

「自分は、検察官である前に当事者である来栖 湊さんと結婚を前提にお付き合いしていて、勿論事務所の許可も得ております。婚約者である彼女がこのような被害に遭うこと自体、受け入れ難いです」
「えっ、……も、申し訳ありませんっ!」
「これは脅しではなく、私が告訴したうえ担当検事として起訴することも可能だという事をお伝えしたくて」

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