イケメン検事の一途な愛


『リアルスター☆』を訪れる前、彼女の所属している事務所社長と会っていた。
これまでの経緯も踏まえて、ずるずると先延ばしすることなく、直ぐにでも処理すべきだと。

昨夜のうちに本人は勿論のこと、事務所社長にも了解を得た上で必要な書類を準備した久我。
退路は断っている。

「当所属の志田が、このようなあってはならない事をしたことに関しまして、心よりお詫び申し上げます」

木島は腰を上げ、ソファーから席を外し、久我に対して深々と謝罪した。

「当方から言える立場ではありませんが、来栖さん、それから事務所側サイドはどのような……」

出来る限り穏便に済ませたいのだろう。
不祥事を起こしたとは言え、可愛がっている俳優だろうから。
『リアルスター☆』の稼ぎ頭でもある志田をこの場でバッサリ斬るのは忍びないのかもしれない。

だが、そんなことは知ったこっちゃねぇ。
俺の大事な女性(ひと)を傷つけた罪は償って貰わないと、俺の気が済まねぇっての。

「来栖さん本人は、事を荒立てたくない意向です。昨日の今日という事もあり、まだ精神的に受けたダメージも癒えてませんし。事務所側からは、告訴しない条件と致しましてこちらを提示してます。ご確認下さい」

示談書と称して、幾つかの条件を提示した。
・今後、甲(来栖 湊)と乙(志田淳平)は一切共演しない
・今後一切、甲と乙の直接連絡及び接触を禁ずる
・個人情報の漏洩及び親族の情報に関しても第三者への情報開示を一切禁ずる
他に慰謝料に関する項目も含め、公式文書として……。

「分かりました。本人に確認、通達後に署名捺印させ、法務部を通してご連絡致します」
「承知しました。先方には当方から連絡入れておきます」
「大変お手数お掛け致します」

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