イケメン検事の一途な愛
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「では、何かあったら連絡下さいね」
「うん、分かった」
「検事さん、みーなのこと、宜しくお願いします」
「はい」
駐車場で合流した山ちゃんと分かれ、私は久我さんの車でその場を後にした。
顔見知りとはいえ、騒動の一件のこともあって、山ちゃんは心配で久我さんを質問攻めにしたが、彼はそれを丁寧に対応して…。
彼の『女性に貸しは作らない主義』という言葉に押し切られた山ちゃんは、検事のスキルでもある口頭弁論のような口調にノックアウト。
隣で聞いていて、笑いが止まらなかった。
ショッピングモールを出て、国道を走行しながら彼が時折視線を向けてくる。
「何かおかしいですか?」
チラチラと視線を向けられては、無意識に緊張してまう。
別に彼に好意があるとかではないけれど、車内という密室で、しかも大人の雰囲気を醸し出す美顔に見つめられたら、誰でもドキッとするだろう。
「これ、地毛なの?」
赤信号で停止した、次の瞬間。
彼の指先が私の髪にそっと触れた。
「役作りで必要になって、今日カットとカラーリングしたんです」
「へぇ~、お人形さんみたいで可愛いし、似合うね」
何もしなくても魅力的な雰囲気を醸し出してるのに、プラスアルファのセリフと思考を停止させるような仕草。
女性慣れしているのが見て取れる。
「有難うございます」
社交辞令だとしても、嬉しいものだ。
ドラマや映画のセリフでもなく、仕事関係でお世話になってる方からのお世辞でもない。
100歩譲って『来栖 湊』という女優に掛けられた言葉であったとしても、密室という空間で掛けられた言葉にドキッとさせられた。