イケメン検事の一途な愛
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深夜2時半。
寝室のベッドで眠る彼女の頬に涙の痕が。
2カ月前に見た彼女は屈託のない笑顔だったのに。
何か辛いことがあったのか。
病院に運ばれた原因が過労と急性アルコール中毒だと言っていたから、もしかしたら仕事に疲れ切ってしまったのかもしれない。
『両親に会うために』と彼女は言っていたが、俺だって『あの子にもう一度会うために』検事になったのだから。
心が折れそうになることもある。
それこそ、諦めて、忘れて、新しい人生を歩んだ方がどんなに楽か。
けれど、それが出来ない。
その決断をする勇気が……。
過労だけではなさそうだ。
精神的にも滅入ってる感じがする。
ん?
少し長めの前髪を横に流そうと額に触れた、その時。
彼女の額が思った以上に熱い気がした。
サイドテーブルの引き出しから体温計を取り出し測ると、38.8度。
「凄い熱だな」
雨に濡れたせいだ。
転倒時に頭部を強打してると父親から聞いている。
打撃後に熱が出ることもあると聞いていていた。
それと、ここまで追い込まれるほどの原因もあるのかもしれない。
保冷枕を頭の下に置き、冷却シートを額に貼る。
こんな風に誰かを看病したことがなくて、ただじっと見つめるだけしか出来ない。
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「んっ……」
いつの間にか寝てしまったようで、指先に何かが触れる感覚がして瞼を押し上げた。
「ッ!!……熱は?」
彼女が俺の手に触れていた。
冷却シートを剥がし額に触れて確認するが、だいぶ下がったように感じる。
「測ってみて?」
念のために体温計で測ると、36.8度。
良かった、下がったようだ。