イケメン検事の一途な愛
玄関先の荷物を跨ぎ、彼は足早に部屋の中へと。
一先ず通れるように道を作ってからリビングに行くと、開けた窓際で咳き込む彼がいた。
「大丈夫ですか?」
「……っ……ん」
大丈夫そうには見えない。
咳き込むというより、呼吸が苦しそうに見える。
ジャケットの上から彼の背中を摩る。
大丈夫だと言わんばかりに片手を上げるが、辛そうだ。
「ごめんっ……俺、……喘息持ちで」
「え?………あ、ごめんなさい」
玄関ドアや窓も開けずに大量の荷物の整理をしていた。
埃臭い臭いはしないが、発作持ちの人にとっては十分すぎるほどに紙屑などの埃が舞ってるはず。
彼は空気清浄機のスイッチも押し、テレビボートの引き出しから薬を取り出した。
それを手にして洗面所へと。
心配になって後を追うと、薬を吸入し、その後何度もうがいをした。
洗面台に両手をつき呼吸を整える彼。
本当に申し訳ないことをしてしまった。
口元を拭うためのタオルを差し出すと、彼はそれを受け取り笑みを浮かべた。
「犯人はコイツら?」
「へ?………あ、はい」
彼が指差す先に、通販で購入したハンドソープや洗顔フォーム、シェービングクリームなどの日用品が置かれている。
あの大量の段ボールの中身が即効でバレた。
まぁ、見れば一目瞭然なんだけど。
「夕食まだですよね?もしかして、済ませて来ました?」
「いや、まだだけど」
「良かった」
「……ん?」
「簡単なものなんですけど、作ったので」
「マジで?」
「はい」
女優だから料理が出来ないとでも思ってるのかな。
彼は物凄く驚いた表情を浮かべた。