イケメン検事の一途な愛


両親が刺され、犯人に放火されたとは言えない。
ましてや、自分その場にいたのに拉致され放浪してただなんて。

小説やドラマじゃないんだから、信じて貰えないかもしれない。
ううん、現役検事として、信じてくれるだろう。
だけど、あの日の出来事を全部話したら、きっと彼は再調査すると言い兼ねない。

事件を再調査して欲しいわけじゃない。
だって、両親が生き返るわけじゃないから。

「例えば、そのトラブルが刑事事件として裁判されているなら訴訟記録というのがあって、訴訟終結後に法令に定められた一定期間、第一審対応検察庁に保管され、検察庁の記録担当係の窓口で閲覧申請すれば閲覧可能だけど」
「……一定期間ですか」
「判決文の閲覧であれば、閲覧申請し、申請手数料として1件あたり収入印紙代150円程度支払えば閲覧可能だよ」
「……なるほど」
「何か過去の記録を調べたいの?」
「………はい」
「例え刑事事件であっても、加害者と被害者を保護するため、全ての事件が公開されるわけじゃないんだよね」
「え?」
「事件の内容によっては、被害者のその後は追跡出来ないように保護されるし」
「……そうなんですね」
「いつ、どこで、どんな事件や事故だったのか、分かる範囲で教えてくれたら出来る範囲で調べてみるけど」

やはり相当厳しそうだ。
一般人で調べるのには限界がある。
かと言って、彼に全てを打ち明けるわけにも……。

「それと、裁判所の民間データベースに閲覧可能な判例もあって。司法試験を受けるような受験生が参考資料にするのがあるけど」
「それ、私が見て分かりますかね?」
「どうだろ、専門用語が多いからなぁ」

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